不安の元はよく理解していないことから起こります。物事を知ることで不安は軽減されます。
今回は最近よく耳にするけどよくわからないPCRについて考えます。
最近メディアでよく出てくるPCR検査です。PCRの検査環境も向上してきて私の周りでも「検査受けに行ってきた」という人達もちらほら聞きます。
PCRは私が高校の生物で習った記憶があったので
「どーだったかなぁ」と、もやもや感が頭のなかを支配してきたのでもう一度復習してみました。
PCRとは
PCRは遺伝子組換えやDNA配列など生物の分野です。
生物の特性を利用したバイオテクノロジーになります。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は特定の遺伝子領域を複製する技術で1983年に生物学者のマリスが発明してノーベル賞を受賞しました。
細菌は比較的大きいので顕微鏡でも確認できます。
一方ウィルスは小さすぎるために電子顕微鏡でないと確認できません。電子顕微鏡は取り扱う施設が少ないので多くを検査できません。なので一般でも比較的検査しやすくするためにウイルスを複製して確認しやすくします。それがPCRです。
そこで触媒として使用するのがDNAポリメラーゼというほぼ全ての生物が持つ酵素を用います。
普段からPCRは医療ではウィルス性肝炎の診断や犯罪捜査にも用いられています。
PCRの手順
複製するためにその元となる検体を採取します。感染箇所になりやすい人の鼻の奥の粘膜を採取して検査所へ運びます。
そして95°cに加熱してDNAの二重螺旋をほどいて一本鎖にしてプライマーという標的とするウィルスの遺伝子配列の一部を人工的に再現したものを用意します。
ウェルプレートという沢山の穴に試験管をセットし、抽出したDNA、プライマー、ヌクレオチド、DNAポリメラーゼを0.01ml単位で手作業で加えていきます。
PCR装置にセットして加熱と冷却を40回程繰り返すと数百万倍から数十億倍に増幅させます。
この作業を数時間かけて確認できるまでに増幅して陽性、陰性を判別します。これは人によって技術の差があるので約30%程に誤陰性や誤陽性など間違いが起こってしまいます。
ウィルスの死骸を陽性と判断してしまう間違いも起こります。
大学の実験でも経験するので一般的ではありますが熟練者は数少ないです。
手間と時間と正確性が必要なので検査速度を速めると検査精度も低くなります。
PCRは遺伝子を調べるものでその精度は99%です。だからといって病原体を判明するものではそもそもないです。